サーフからヒラメやマゴチを狙う場合、遠投性に長けたPEラインを使用します。
PEラインはルアー釣り全般に使われるラインですので、通販サイトや釣り具屋には様々な商品が並んでいます。
そのため、この中からサーフの釣りに適したものを選ばなければ思い通りの釣りは展開できません。
そこでこの記事では、失敗しないサーフ用PEラインの選び方について解説します。
ライントラブルが少なく初心者でも扱いやすいおすすめのPEラインもご紹介します。
サーフでPEラインを使うメリット

飛距離が伸びる
サーフ攻略のポイントは飛距離を武器にして広範囲を探ることですので、ライン選びは釣果に直結します。
PEラインは他種のラインに比べて引っ張り強度に優れており、同じ強度で比較した場合、最も細いラインです。
ナイロンラインと比較すると、太さは半分近くになるため風の影響や空気抵抗を受けにくくなります。
そのため、飛距離がUPするので遠投しながら広範囲を探り、魚がいる場所をサーチできるでしょう。
サーフでは重いルアーを使用するので、キャスト時にはルアーがラインを勢いよく引っ張っていきます。
比重が軽いので糸ふけは出やすいのですが、軽いルアーを使うライトゲームほどライントラブルは起きません。
感度が高い
ラインを張った状態で比較すると他種より感度が高いため、目では確認できない潮の流れや起伏の変化を把握できます。
サーフは目で確認できる情報が少ないので、この感度に頼らなければ安定した釣果は得られません。
また、アタリかゴミの引っ掛かりかを見分けられますし、微妙な底の起伏もサーチできます。
1回のキャストで得られる情報が桁違いに多くなるので、的確な判断ができるようになります。
最近はPEラインに対応したベイトリールも販売されるようになりました。
太いナイロンラインでも飛距離は落ちにくいのですが、PEラインの使用をおすすめします。
吸水や光による劣化が起きない
PEラインは吸水性がないので、ナイロンラインやフロロラインに比べて劣化が遅い特徴をもっています。
光(紫外線)による劣化も起きにくいので、一度巻けば毛羽立ちが目立つまで使用できます。
10年以上前の中古リールに巻いて合ったPEラインでも、色落ち以外の劣化がなく使えそうな印象でした。
釣行頻度が高い場合でも、3か月間に10回巻き替えなしで使用しましたが、今のところ切れた経験はありません。
ラインを巻き替える手間が掛かりませんし、買い換える頻度も下がるのでコスパ最強のラインと感じています。
サーフでPEラインを使うデメリット

ライントラブルが起きやすい
1番のデメリットはライントラブルが起きやすいことであり、特にはじめてPEラインを使う方は扱いに苦労します。
コシのない柔らかいラインですので、糸ふけがでやすくガイドに絡まることがあります。
これはキャスト時のサミングで糸ふけを解消し、常にラインを張った状態で巻き上げれば解消できるでしょう。
扱いに慣れてしまえばこのデメリットはほとんど感じなくなるので、初心者特有のデメリットと理解してください。
サーフではライトゲームと違って重いルアーばかりを使用するので、扱いに慣れるのも早いです。
ただ、密巻きリールにコシのないPEラインを巻くと上級者でもライントラブルが起きる場合もあります。
シマノのリールはシマノのラインと勝手に思い込んでいるのですが、ピットブルはおすすめしません。
はじめは堅いコーティングが効いているので問題ないのですが、剥がれやすいのでライントラブルが起きやすくなります。
ノットを組むのが面倒
PEラインはそのままルアーに縛ると結束強度が50~60%まで落ちるので必ず先端にリーダーを結びます。
PEラインは伸度がほぼゼロですので、キャストやアワセのときに掛かる負荷を逃がす役割も果たします。
慣れれば素早くFGノットを組めますが、初心者の方はノットを組む作業から覚えなければPEラインは使えません。
この作業は案外くせ者で、目の場前でワカシ(ブリの若魚)やシーバスのナブラが立つと上級者でも結束ミスを起こしやすくなります。
早く投げたいという気持ちが先行して締め込みが甘くなり、リーダーがスッポ抜けるミスが発生します。
サーフではPEラインが持つデメリットをメリットが上回るので、PEライン一択で間違いなし!
サーフの釣りで失敗しないPEラインの選び方

信頼性の高いラインを選ぶ
PEラインはルアー釣りで最も使用されるラインですので、通販サイトや釣り具屋の売り場に沢山並んでいます。
まず、私がチェックするポイントは信頼性であり、安価で聞いたことない海外ブランドは使いません。
信頼性から得られる安心感がなければ思いきったキャストもファイトもできないのでチャンスロスにつながります。
ここで皆さんは「どこのメーカーもパッケージにはいいことしか書いていない」という疑問が生じたはずです。
「細くて強いラインが欲しい」という本音は私も同じであり、明確な判断基準がないので正直困っています。
そのため、釣り糸標準規格を設けている「日本釣工業会」に加盟している会社のラインを信用して使っています。
強度
PEラインの強度は信頼性を表す数字と判断しており、必ずパッケージに記載されている数字をチェックしています。
同じ1.0号でもメーカーによって記載されている数字が異なり、太さが同じなら強度が高い方を選ぶ考えは間違いです。
よく見ると「MAX.表記」「AVE.表記」に分けられており、数字の意味が全く異なるので注意が必要です。
「MAX.表記」はテストの際に、最も負荷を掛けて切れたときの数字を表しています。
「AVE.表記」はテスト中に切れた数字の平均を表しており、数字が同じなら「AVE.表記」の方が安定した強度を生み出します。
数字が大きいほど釣り人が「強いライン」と感じるため、「MAX.表記」の流れになっていることを理解してください。
「MAX.表記」のラインが劣っているという意味ではなく、実際は2~3割減の強度と判断することが大事です。
できれば「min.表記」で表してくれるとありがたいのですが、「AVE.表記」しているメーカーがあるだけでも救いと感じています。
太さ
サーフでヒラメやマゴチを狙う場合はPE1.5号を使用し、フィネススタイルでも1.0号以下は使いません。
ランカーサイズのヒラメを掛けても確実にとれるラインシステムで勝負するためです。
青物だけを狙う場合はゴリ巻きでファイト時間を短縮し、2匹目を狙うので2.0号を巻くこともあります。
PE1.0号以下を推奨する意見を否定するつもりはありませんが、「掛けたら獲る」という考えに反しているので私は使いません。
太いラインは食わないという意見もありますが、特に釣果に差が生じている感覚はありません。
PE0.8号でもラインが水を切る振動で魚は存在を知っているので、全く気にせず使用しています。
また、同じ強度でもメーカーによって太さが異なるので、PE1.0号を200巻けるリールでも余ることがあります。
そのため、複数のメーカーを比較してラインの太さがどれだけ違うのかチェックすることも大事です。
ちなみに、同じ号数で比較したところ「よつあみ」「ユニチカ」のラインは細く「シーガー」「デュエル」「バリバス」のラインは太かったです。
コーティングの有無
PEラインは樹脂でコーティングしたコーティング系とコーティングが限りなく薄いノンコーティング系に分けられます。
どちらがサーフの釣りに適しているかは好みの問題であり、私はサーフに限っていえばコーティング系をメインに使います。
その理由はコーティング剤によってラインの重量が増すので風に煽られにくくなるためです。
水キレがよく、ラインの自重が軽いノンコーティング系は5g以下の軽いルアーを遣う場面で使用します。
サーフで5g以下のルアーを使うことはないため、コーティング系を選んでおけば間違いありません。
ラインの表面をコーティング剤で固めることで擦れ傷を防いでいるため、細かい砂に擦れるサーフでも毛羽立ちを抑えられます。
カラー(色)
PEラインは様々なカラーの商品が販売されており、投げた距離を推測できるマルチカラーもラインナップされています。
カラーを選ぶ基準は特になく、自分の目で確認しやすいカラーを選ぶことが大事です。
黄色やオレンジ、グリーンが適しており投げた方向を把握できるので釣り人が多いサーフでもオマツリを避けられます。
以前は飛距離を的確に把握して、魚がいそうな場所へ再アプローチするためマルチカラーを使っていました。
しかし、最近は感覚だけでキャストできるようになり、自分の目で確認しやすいカラーならどれでも同じという考えに至りました。
ただし、PEラインは顔料を吸収しないので必ず着色がとれて白に近い色へと変化します。
そのため、毛羽立ちがなくても劣化しているよう感じる色落ちが少ないメーカーを選ぶことも大事です。
「ゴーセン」のラインは、「X樹脂」と呼ばれるPEと相性のよい特殊樹脂を使用しているので色落ちが抑えられています。
撚り糸の数
PEラインは4本、8本、12本と撚り糸の数によって分けられており、4本撚りよりも12本撚りの方が高いです。
サーフでは4本、8本撚りを使う方が多いのですが、私は8本撚りをメインに使います。
理由は12本撚りに比べて砂に擦れても毛羽立ちにくく、安心してファイトできるためです。
ただし、コシはあってティップに絡みにくいのは4本撚りですので、風が強い日が続く冬場に限っては4本撚りをメインに使います。
8本撚りの方が表面は滑かですので、飛距離が伸びるという意見を耳にしますが大差はないというのが私の答えです。
サーフは風の影響が強く、常にベストコンディションで投げられないので、10%飛距離が落ちても気にしません。
ただし、糸鳴りは4本撚りの方が大きいため、気になる方はシーズン通して8本撚りを使う方がよいでしょう。
長さ
サーフの釣りは遠投性が求められ、遠投した先で不意に青物が掛かることも珍しくありません。
そのため、最低でも200m巻いておく必要があるので、購入する際は200m以上の商品を選択します。
遠投を必要としないドン深サーフであっても、斜めにキャストすることでポイントにルアーを長く留めるため、150mは必要です。
ただし、同じ号数でもメーカーによってラインの太さが異なるので、200m巻けるリールに180mしか巻けないこともあります。
サーフ用PEラインおすすめランキングベスト5!
サーフの釣りでおすすめのPEラインを5つ厳選してご紹介しますので、ライン選びの参考にしてください。
ノットが組みやすく、ライントラブルも少ないラインは「シーガー PEX8 ルアーエディション」です。
コスパ重視でラインを選ぶ場合は「ゴーセン ROOTS PE×4」をおすすめします。
商品名 | 強度表記 | 1.5号強度 |
---|---|---|
PEX8 ルアーエディション | AVE.表記/MAX.表記 | 10.9kg/11.8kg |
ゴーセン ROOTS PE×4 | MAX.表記 | 10.6kg |
シーバスPE POWERGAME® | AVE.表記 | 11.4kg |
VARIVAS 8 マーキング | MAX.表記 | 14.04kg |
UVF PEデュラセンサー×8+Si² | AVE.表記 | 12.0kg |
【シーガー】PEX8 ルアーエディション(1.5号)
とにかく扱いやすくて長持ちするPEライン
適度に張りがあるので風の強いサーフでも投げやすく、メインに使用していますがトラブルに悩まされた経験はありません。
伸度が低いので、感度の悪いロッドでもルアーの動きや魚のバイトをダイレクトに感じられます。
色落ちに関しては2週間ほど連続して「少し色が薄くなってきた?」と感じるほどでした。
同価格帯の他社製品に比べて毛羽立ちにくく、とりあえずこの商品を買っておけば間違いない仕上がりです。

【ゴーセン】ROOTS PE×4(1.5号)
コスパ最強のPEラインならコレ!
張りは強すぎず、どちらかというとしなやかな仕上がりとなっており、キャスト時のフィーリングがナチュラルで使いやすいです。
コーティング太りした感じは全くないのですが、耐久性が高く購入初期の性能が長く続きます。
4か月サーフで使用しても毛羽立ちが目立たず、交換時期が判らないほどでした。
また、実釣面における強度に関してですが、1.5号で大型のアカエイやナルトビエイを掛けても力負けしたことはありません。

【東レ】シーバスPE POWERGAME®(1.5号)
ノンコーティング系にこだわるならこのライン!
PEラインの中には強度を目安にドラグを設定しても、ブチっと切れてしまうことがあります。
これは品質のバラツキによる影響が考えられるのですが、この商品に関しては一度もこのような経験がありません。
ノンコーティング系のPEラインですので、ルアーの操作性が高くサーフからメタルジグで青物を狙う方にもおすすめします。
私はサーフの帰りに寄り道してシーバスを狙う場合、予備スプールに1.0号を巻いてリールを変えずに楽しんでいます。

【バリバス】VARIVAS 8 マーキング(1.5号)
強度が高くブリやワカシを掛けても安心してファイトできる
MAX.表記14kgを超える、非常に強いラインですので、サーフで不意にブリやワカシを掛けても走らせれば獲れます。
AVE.強度を測定したことはありませんが、品質にムラがなく、かなり無理しても切れた経験はありません。
手で持つと糸先がピンと立つほどガチガチのコーティング系ですので、1か月使用しても張り感が残っていました。
いつもは釣行事に先端3ヒロくらいを切っていますが、このラインは毛羽立ちにくいのでそのまま使用しています。
【ダイワ】UVF PEデュラセンサー×8+Si²(1.5号)
毛羽立ちにくく強度も高いライン
耐摩耗性に優れているので毛羽立ちにくく、強度も安定しているPEラインです。
適度な張りを持たせているので、ベイトリールに使用してもスプール内で浮き上がりバックラッシュにつながった経験はありません。
強度にも優れており、ドラグ設定を間違えなければ不意に掛けた大物も寄せられます。
良くも悪くも特筆すべき特徴やクセのないラインですので、誰が使ってもストレスを感じません。

PEラインの交換時期に関して

PEラインは耐久性が高く、毛羽立ちにくいラインを使用していると劣化を目で判断できません。
サーフではどうしても砂に擦れることが多くなるので、釣行毎に先端3ヒロほどをカットしています。
10回も釣りに行けば、残りのPEラインが少ないと感じるので、このタイミングで巻き替えます。
ラインを逆転させて長く使う方法もありますが、常に先端をカットしているので、私はこの方法を試していません。
ラインにお金を掛けてリールやロッドは型遅れになっても長く使用しています。
ラインは魚と釣り人を繋ぐ最も大事な役割を果たすので、お小遣いと相談しながらできる限り早めに巻き替えることをおすすめします。
まとめ
サーフで使うPEラインを選ぶとき、最も重視していることはラインに対する信頼性です。
信頼性から得られる安心感が思い切ったキャスト、ファイトにつながります。
大物が掛かりやすいサーフだからこそ、信頼できるラインを選ぶべきと考えています。
今回ご紹介したPEラインは信頼性が高く非常に使いやすいので、ぜひお試しください。
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